心 ―ハジマリノウタ―




次に目を開けた時、私たちは

暖かい部屋に居た。


初めて着た部屋だったが、

そのソファにはカトレアと老人が

寄り添いあって腰を下ろしていた。


私の姿を認めてカトレアが

ソファから腰を浮かした。




「ユア!」




私の名前を叫ぶと、真っ先に抱きしめた。


ああ、暖かい。


今の私は温もりを感じる事も、

抱きしめ返す事もできるのだ。


先ほどの闇が、薄らいでいくようだった。


ホッと息をつくと、

カトレアが私をようやく解放して、

にっこり笑いかけた。


私も笑い返した。




「まあ!ユア、貴方笑えるようになったのね!

ほらほら、フェイクも見た!?

何て、可愛いんでしょう!

あら、フェイクったら、何照れてるのよ」




フェイクを振り返って、カトレアは

興奮気味に笑った。


ジグも微笑を浮かべ、その光景を眺めていた。


私も同様に笑いながらも、

そのジグの微妙な変化に気付いていた。


ジグは、笑いながらも、

何処か不安なのだ。


そして、私にはジグに聞かなければならない事があった。