心 ―ハジマリノウタ―





「フェイク、ありがとうございます。

もう、立てます。

帰りましょう…」





彼は不安そうに私を見つめながら、

立ち上がった。


私は、笑おうと努力する。


顔が強張っただけだったかもしれないが、

それでも、ここから早く帰りたかった。


またあの闇が、やってくる前に。


道はまだまだ続いている。


私とフェイクは歩き出した。


暫く歩くと、世界の終わりが見えた。


金色の輪も、月光を受けて、

赤く輝いていた。


その輪の中に渦巻く闇に、

2人で足を踏み入れる。


早く、カトレアに会いたかった。


何故だろうか。


もう一度、彼女に抱きしめてもらいたかった。