心 ―ハジマリノウタ―



怖かった。


恐ろしかった。


あの声は、何?


聞き覚えがあった。


私とフェイクが初めて会った時に、

やってきた、ハートを持つ者イレの声。


しかし、彼女は、リヴィアが倒したはずだ。


あの時、確かに私の目の前で、

灰となり、その心は私に戻ってきた。


それなのに、何故?


私の心は、帰って来ていないのだろうか?


…例え、鎖が打ち砕かれたとしても。


いつかそう思ったことがあった。


あれは、まだ奴隷工場の檻の中にいた時だ。


私が感じていたことは…真実だったのだろうか?


言いようもない恐怖が再び私を襲った。


怖かった。


何よりも、彼らを、失う事が…。


しかし、その恐怖を喜ぶように、

胸の中で、闇が疼いた。




「ユア…立てる?」



その時、フェイクがそっと囁いた。


ハッとして、顔を上げると、

フェイクの赤い瞳に、私が映っているのが見えた。


そうだ、ここにいるのは、

紛れもなく、私。


ユアだ。


私は頷いて、立ち上がった。


もう、足は震えなかった。