心 ―ハジマリノウタ―





「ユア!」




フェイクが異常な私を掻き抱いた。


痛いくらいに、強く、抱きしめた。


その痛みを感じて、強く抱きしめられると、

闇は何故か、遠退いていった。


私の心の奥底へ。




「っはぁ…」



「ユア、ユア、聞こえる?

大丈夫?」




私は何も言えずただ頷いた。


フェイクはそれでも、

私をきつく強く、痛いくらいに抱きしめる。




「わ、私は、もう大丈夫です…。

心配かけてごめんなさい」




震えが収まらない。


出した声も、内容とは正反対だった。


フェイクは何を言っても、私を放さなかった。


しかし、私も立ち上がる力も、

意思もなかった。


フェイクの腕の中に居たかった。


まだ、胸の底で、疼く闇に気付いていたから。