深い、深い闇。


暗闇だけの空間。


違う。


ただ目を瞑っているだけ。


目覚めようと思えば目覚められる。


そんな感覚だった。


声が言った。




『聞こえるかしら…?』




それは微かな声。


けれど確かに聞こえる。


私は答える。




「聞こえます」