心 ―ハジマリノウタ―




不意に、今までなかった音が聞こえてきた。


鈍い唸るような音。


これは、ドレイの声?


そして、次に、銃声が響いた。


軽くて、重いこの音。


その音を飲み込むように、

ドレイの唸り声が大きくなっていく。


隣でカトレアが舌打ちするのが聞こえた。


私にもようやく、事態が飲み込めた。


目の前を過ぎる灰。


あの世界とは違う、美しい偽の蒼に

よく映える灰。


まるで私たちを取り巻くように舞う





灰…


ああ、ついに、この時がやってきたのだ。


能力者たちとの対峙の時。


私に後戻りはできない。


だから、せめてカトレアやフェイクに

これ以上心配をかけないように、

顔を上げていよう。


そう、決めた。


それなのに…。




「フェイク、ユアを頼むわよ!

ユア、ほらね、言ったでしょう?

でも、安心してね。

私が、守るから」




私の瞳を覗き込みながら、

カトレアは、にっこり笑った。


そして、私を背中に庇うように

銃声のするほうへ振り返った。


しかし、その時…




「ユアッ!!」