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「ロック、苦しいんだけど?」
照れ隠しだった。
苦しくはなかった。
ただ、この歳になって、抱きしめてもらうなんて、
想像もしていなかった。
ロックは、あたしの話を聞いた後、
静かに、強くあたしを抱き寄せた。
今もあたしの声は届いてるはずなのに、
ギュッと腕に力を入れる。
ロックの細いと思っていた腕は、
思っていたよりずっと、力強くて、
たくましかった。
「リヴィア、
君はもう独りじゃないんだよ」
あたしは頷いた。
もう、苦しいなんて言わなかった。
「ユアも居るし、
もちろん僕も居る」
また頷いた。
今度は、ロックのシワシワに
なっているシャツを握りしめた。
あたしは、頷くことしか出来なかった。
きっと、ロックも気がついていただろう。
あたしの流した涙に。
そして、その意味に。

