心 ―ハジマリノウタ―




◇◆◇




「ロック、苦しいんだけど?」




照れ隠しだった。


苦しくはなかった。


ただ、この歳になって、抱きしめてもらうなんて、

想像もしていなかった。


ロックは、あたしの話を聞いた後、

静かに、強くあたしを抱き寄せた。


今もあたしの声は届いてるはずなのに、

ギュッと腕に力を入れる。


ロックの細いと思っていた腕は、

思っていたよりずっと、力強くて、

たくましかった。




「リヴィア、

君はもう独りじゃないんだよ」




あたしは頷いた。


もう、苦しいなんて言わなかった。




「ユアも居るし、

もちろん僕も居る」




また頷いた。


今度は、ロックのシワシワに

なっているシャツを握りしめた。


あたしは、頷くことしか出来なかった。


きっと、ロックも気がついていただろう。


あたしの流した涙に。


そして、その意味に。