心 ―ハジマリノウタ―




治療室を出た後、

僕はメイを振り返って、

目線を合わせるためにしゃがんだ。




「僕は、レイたちの所へ行く」



「リオ、何言ってるの?

アタシも一緒に行く」




僕は首を振った。


これ以上、メイを危険な目に遭わせたくない。


レイたちに加われば、

僕らは途端に追われる身になるだろう。


逃げ続けながら、ユアを探すなんて、

絶対に危険だ。


それでも、メイは僕に動き出す希望をくれた。


それだけで十分だ。




「ここから先は、僕だけで行く。

メイ、責任を感じる必要は無いんだよ。

メイは何にも悪くない。

悪かったのは、僕だ。

僕たちはきっと、裏切り者として、

追われる立場になるんだ。

メイまでそんな目に遭うことはない。

だから…」



「何言ってるのぉ!?」




ピシリと、いつになく高い厳しい声が飛んできた。


目の前のメイは、目を吊り上げて、

僕を睨みつけていた。


その黒い瞳に映った、僕は、

とても情けない顔をしている。


メイは首を横に振って、

口を開いた。