心 ―ハジマリノウタ―




レイやリヴィア、そしてリブまでもが

啖呵を切って部屋を後にした事を知った僕らは

ユアの噂を仄めかしつつ、

ジグの言葉を支持する治療班に

これ以上治療してもらうなんて、

考えはなかった。


ユアの能力が発覚する前も、

散々彼女の手助けに感謝していたのに。


ユアの能力が目覚めた後も、

彼女の歌の治癒能力に助けられていたのに。


どうしてそんなことが言えるんだ、と

内心腹が立っていたし、

何より、彼女が僕たちを救いに着て、

僕らを救ったことを知っていたから、

心苦しかった。




「そんなのは、全部ウソだ!

何で皆が無傷でアジトに送り返されたのか、

考えてみたんですか?」




いきなり立ち上がった僕を見て、

驚いたような、呆れたような

視線を送る治療班。


僕はそんなことに構わず、はっきり言った。




「僕はあの場に居た者として、

ハッキリいえます。

ユアが、自分の身を犠牲にしたから、

僕らは返してもらえたんだ。

ユアがもしドレイ側だとしたら、

僕らが皆、無傷なことは

どう説明つけるんですか?

少し考えれば分かることだ!」




どうして皆自分の頭で考えないんだ。


どう考えても、

ユアは僕たちを助けたい一心で

守りたい一心で、フェイクの手を取ったのに。


ユアは、僕たちを救ったのに。


僕らは治療室を後にした。