あの気持ちにウソはない。
メイはそう言った。
その目はあの時と同じ色をしていた。
◇◆◇
あの時、僕たちがフェイクによって
アジトへ送り返された時、
メイは怪我をして朦朧としている僕の手を握って、
謝り続けた。
僕も懸命にその小さな掌を握り返した。
帰って来た、返ってきた。
そう思った。
アジトに、メイも僕も。
何もかもが元通りだと思った。
それなのに。
ユアが消えていた。
僕は朦朧とする意識の中で、
未だ見ぬ彼女の微笑を見た気がした。
その瞳は悲しみに満ちていたけれど。
次に目を覚ました時、
まず襲ってきたのは、痛み。
傷がズキズキと痛んで、思わず顔を顰めた。
しかし、そんなものはまだまだ序の口だった。
衝撃の事実、とはこのことだった。
ユアが、消えた事を知らされた。
隣のベッドに居たメイもショックで
言葉がでないようだった。
そして、伝えられた言葉。
裏切り、計画、敵…。
その全てがユアと繋がっているなんて、
信じられなかった。
いや、そんなのはウソだ。
僕は、自分の目で見てきたユアを信じたい。
だって、ユアは何時だって
一生懸命に、人のために動こうとしていたから。
あの、綺麗な黒い瞳は、澄んで、
裏切りなんていう後ろめたい事なんて
何もなかったから。

