心 ―ハジマリノウタ―





「そうか、そう言ってくれると思っていたよ。

だが、そのためにはまず、

傷を治さなきゃだな」




そうだ、この傷は、銃で撃たれた傷。


掠っただけかと思いきや、

リヴィアが思った以上に銃弾が食い込んで

治るのには結構な時間が必要だった。


僕は思わず唇を噛み締めた。


今、ユアを救うためにやるべき事があるのに…。




「まあまあ、話を聞けって!

あのな、ユアたちがお前を探しにきたとき、

ついでにマイクとスピーカーの調整をしたんだよ。

その時のユアの歌声が、録音されててな。

少しだが、治癒能力がある。

恐らく、ユアが大切に思っていたヤツになら、

もっと力を発揮するはずだ。

それを毎日聞いて、治療室でしばらくは過ごしてもらう」



治り次第、師匠の下へ行く、ということで、

話は終わった。


僕は、新しい可能性と、

ユアを救うためにできることが現実味を帯びてきて、

心が少し軽くなったようだった。


もっと、強くなって、

ユアを必ず救ってみせる。


そう心に定めて、僕は部屋を後にした。