心 ―ハジマリノウタ―






「それからな、リオン。

お前には力があるし、

それは俺たちも認めてる」




急に真剣な顔に戻ったダイガは、

思いもよらないことを口にした。


今まで、誰も僕に勧めなかった物だ。


ロックも、ジグでさえも。




「弟子になるつもりはないか」




弟子になる。


つまり、師匠ができる、という事だ。


それがいいことなのか、

僕にはいまいち分からないのが正直な気持ちだった。




「…僕にはメイが居ます」




メイは僕の弟子だった。


しかし、それは形だけの関係で、

互いに独りぼっちの僕らは、

支え合う、

ただそのための名ばかりの関係を続けてきた。


僕の能力は、黒い日本刀だった。


だから、誰に教えてもらったわけでもない

僕の剣術は、独学だった。


めちゃくちゃなのは自分でも分かっていた。


けれど、実践で積んだ経験から、

刃がドレイに当たれさえすればいいことを学び

信頼と実力を勝ち取ってきたつもりだった。


メイを守る事も、誰かのために戦う事も、

もう、できるんだと思っていた。


それなのに、今更こんなことを言われるなんて。


悔しい、そう思う。