心 ―ハジマリノウタ―





「私が心を捨てたのは、心から彼らを愛したから。

彼らが私を心から愛してくれたから。

私は、二度と同じことは繰り返しません。

もう、絶対に愛する人を危険に晒さないために、

心を捨てました。

フェイクにも、貴方にも、それは不可能です。

愛するが故に、心を失うなど、

心を持つ心地よさを知った貴方たちには」




そう、私は決断した。


彼らのために、彼らの安全のために。


私の心がどうなろうとも、

彼らを守りたかったから。




「私は、心なんてどうでも良かったから。

彼らのほうが大切だったから。

フェイクは、違います。

人間に近づくことが、人間になることが

彼の生まれた理由。

心無くして、人にはなれません。

私は、人ではありません。

だからこそ、彼らを守れたのです」





私は、こんなにも長く話したのは、

初めてだった。


自分の考えを語るのは、こんなにも疲れる事だったのだ。


目の前の、カトレアの表情が崩れていくほどに、

疲れを感じさせられた。


カトレアは俯いて

両腕で自分の身体を抱きしめている。