心 ―ハジマリノウタ―





「それは、絶対に、違うわ」




カトレアは、きっぱりと言い切った。


フェイクは、貴方を必要としている、と、

続けていった。


私はその言葉を否定して、首を横に振る。




「フェイクは、私のことを今は必要としています。

けれど、気がつくはずです。

それは、彼が本当に、人間と化した時、

私は、人間になるために

必要だった、ただの過程に過ぎないのだと。

自分に宿る人間の心がただ、愛を

欲しただけなのだ、と」





フェイクは、私を愛してなど居ない。


確かに、彼には、私が必要だ。


けれど、それは、人間になるために必要な過程なのだ。


愛を知らずに人間にはなれない。


定められた愛ではない、愛が必要だから。





「ユア!」





カトレアが、私の名を怒ったように厳しく呼んだ。


私は顔を上げ、カトレアの憤慨したような

顔を見つめた。