心 ―ハジマリノウタ―





「でもね、そのフェイクは

連れてきた女の子を、騙していたの。

自分の身分も、本当の自分も隠して、

彼女をここに連れてきた。

人間は誰だって、私たちの正体を知れば

近づくのを拒むわ。

それは、人間として当たり前の反応よ」




悲しげにカトレアは微笑んだ。


確かに、人間からすれば、

人間に最も近い彼らは脅威であるに違いない。


それは、否定できない事実で、

彼らがハートを持つ者、という存在を

受け入れられない事は、目に見えている。




「ここに連れてこられた彼女は

本当のフェイクを知った時、

“化け物”と罵ったの。

フェイクはとても傷ついた」




自分の愛するものに、そんな風に罵倒されて、

彼の心はどれだけ傷ついたのだろう。


彼の傷ついた表情が目に浮かぶようだった。




「そして、何とか、彼が調子を取り戻したとき、

あの人は、アジトを襲うことを決めた。

そして、貴方とフェイクは出会った」




フェイクは、心を持っているけれど、

人ではない。


人間とハートを持つ者の間で

彼は立ち尽くしているのだ。