心 ―ハジマリノウタ―




まるで、私の声が聞こえたかのように、

カトレアが訳を説明してくれた。




「フェイクの相手は、見てわかるように

ファイラだったわ。

初めはフェイクも、それを受け入れていた。

でも、何時しか人間化が進んで、

彼は自分で自分の好きな女の子を

捜すようになった」




フェイクらしい、と思う。


彼は、決め付けられる事を嫌がるだろう。


私は頷いた。




「私たちの中で、一番人間に近いのは、

きっとフェイクなの。

彼が初めてここに女の子を連れて来たときは、

それを痛いほど感じさせられた。

私は、心からジグを愛してるわ。

彼も私を愛してる。

でも、それは結局身代わりでしかない。

そして、定められた事でしかないの。

それでもいいのよ、辛いとも思うけれど、

それで、近くに居られるのだから」




カトレアは人間ではないのかもしれない。


けれど、一人の女であることは、

誰もが認めるだろう。


でなければ、人を思って、こんなに美しくて悲しい、

微笑を浮かべる事などできるはずがない。