心 ―ハジマリノウタ―




それから3日が過ぎた。


私達は一言も言葉を交わすことなく

ただ同じ部屋にいた。


触れることもなく、互いに寄り添う事もない。


時折、フェイクの視線を感じる事もあったが、

いつも私が見たときには、

すでに目を逸らした後だった。


そんな時、ドアが再びノックされた。


フェイクがドアを開けると、そこに居たのは

意外な人物だった。


私の父親であり、フェイクの父親でもある、

ジグだった。


フェイクは黙って道をあけ、

ジグを中へ招きいれた。


ジグは軽口を叩かない彼に

眉を片方上げてみせると、

私の方をじっと見つめた。


その視線には、一体何が込められているのだろう?


その前に、ジグは自分が父親だと、

私が知った事をどう思っているのだろうか?


そもそも、その事実さえ知らないのかもしれない。


私も、フェイクも何も言わず、

ただジグの言葉を待った。


ジグは空いている椅子にゆっくりと腰を下ろすと、

私たちの顔を見比べながら口を開いた。





「久しぶりだな。

変わりはないか?」




久しぶり、というのも変な話だが、

確かに色んな事があったせいで、

ジグとあった祝宴はもう遠い日の事のようだ。


私もフェイクも曖昧に頷いた。