心 ―ハジマリノウタ―





「私はたとえ、この先繋がりができなかったとしても、

フェイクと共に居ます。

それだけでは、ダメなのですか?」




フェイクは一瞬傷ついたように

顔を歪めた。


私には、もう行く当ても居場所も無い、

この場所以外に。


私は、消えていなくなったりしないのに。


繋ぎとめていなくても、

流れてしまうこともないのに。


彼は一体、何が不安なのだろう?


私に、彼の気持ちはわからない。




「どうして、あの時、

俺の手を取ったんだ?」




彼は低い声で静かに尋ねた。


深く俯いて、まるで私を避けるように。


まるで、私が今から言う言葉が分かっていて、

それを恐れているかのように。


その瞳が私を映す事はない。


私は、その質問に、静かに返した。




「私には、新しい居場所が必要だったから、です」




本当だった。


彼らを危険に晒すくらいならば、

私が消えよう。


私が居なくなることで、

彼らが無事で、救うことができるならば、

私は喜んで犠牲になろう。


それが、彼らを思って私ができることの全てだった。