心 ―ハジマリノウタ―






「本当に?」




私は頷いた。


これ以上、フェイクを苦しめてはいけない。


彼は十分に私を助けてくれている。


彼を、苦しめたくない。


もう誰も、私のせいで傷つけたくはない。


私には、もう守る術がないのだから。





「それなら、ユア。

喜んでいいんだ!

俺たちは皆、ジグの子どもみたいなものなんだ。

ユアは本当に、俺たちの家族なんだよ!」




フェイクは赤い瞳を輝かせた。


家族。


それは一体どういうものなのだろう?


どんな愛でさえ、私は感じる事ができない。


けれど、それでフェイクの心が

晴れるのならば、それでいい。


私の居場所は、

ここしかないのだから。




「じゃあ、ユア。

それそろ起きようか。

少し、寝すぎたみたいだ!」




フェイクが私に手を差し伸べた。


私は、躊躇いもせず、その手を取った。