心 ―ハジマリノウタ―




いや、彼はきっと受け入れるだろう。


彼ジグから生まれたのだから。


頭が受け入れたくない理由は、他にある気がする。





「少し、顔色が悪いな。

気分、悪いの?」




フェイクが心配そうに私の額に手を当てる。


具合など、どこも悪くない。


ただ、分からないだけだ。


どんな風に受け入れればいいのかも、

何故受け入れられないかも。


私は首を振った。


すごく疲れた。


少し、頭を整理する時間が欲しい。


けれど、それは一体どれ位の時間が必要になるだろう?


それさえも、私には分からないのだった。


すると、いきなり身体が宙に浮いた。


足が床からフワリと離れた。




「フェイク?!」




フェイクがいきなり私を抱き上げたのだ。


驚いて、彼の名を呼ぶと、フェイクは、

しっかりと私を抱きしめて、歩き出した。


行き先は、どうやら寝室のようだ。




「ユア、疲れたんだろ?

今日はもう、寝よう。

大丈夫、俺が運ぶから。

さ、眠って」



私は、温かいはずのないフェイクの腕に、

温もりを感じて、そっとその腕に身を任せた。


そして、意識を手放した。