心 ―ハジマリノウタ―




確かに、あの時私たちは…

ジグは私の能力が目障りで私を追い出そうと

しているのだとばかり思い込んでいた。


しかし、それは間違いだった…?


私は彼の娘で、彼が私を愛していて、

だからこそ、彼は、私を罠にはめた?


あの、ジグの行動は、全て、

愛だった…?




「本当よ、ユア。

信じてあげてね、彼を。

私が貴方の資料を見つけて、報告した時も、

とても喜んでいたもの」




喜んでいた。


あのジグが?


裏切り者で、私を罠にはめた、ジグが。


けれど、それは愛で、ジグは…。


いや、私は、裏切り者の、娘…。


よく分からなかった。


何もかもが、ひっくり返されたように、

その色を変えていた。





「ああ、本当に良かった。

貴方をこんな風に抱きしめる事ができて。

困った事があったら、

何でも私に言うのよ」




私たちは、親子なんだから。


そうカトレアは私を抱きしめた。


しかし、私には、その腕の温もりを感じる事はできなかった。