心 ―ハジマリノウタ―







「でも、ジグはアジトで、私を罠に…」



「ええ、そうみたいね。

でもね、それも全部貴方のためだったのよ」




私の、ため?


またしても、理解できないことが出てきた。



どう捉えれば私のためになるのだろう?




「あの時、貴方を疑わせるように仕向けたのは、

そうした方が、貴方を救いやすかったからよ」



「救いやすい?」



「そう、貴方が人に囲まれていたら、

私たちが迎えに行くことは困難になる。

最初の計画ではね、

私がアジトに潜り込んで貴方を攫う予定だったの。

でも、それは不可能だった。

貴方は、既に周りの人に、必要とされていたから」




私の脳裏に、もう忘れ去らなければならない笑顔が浮かんだ。


リヴィア、レイ、リオ、

メイ、ロック…


俯いた私をそっと、抱き寄せて、

カトレアは肩を揺すると、話を続けた。




「けれど、あの戦闘で私たちは

貴方を連れてくることに失敗して、

貴方は心を取り戻した。

そして、私たちは次の作戦に出たの」