心 ―ハジマリノウタ―




私は首を振った。


何も言うことができなかった。


私はここで、働いてきた。


でも、その場所に、母親が…

いや、母の心を持つ者が居た?


けれど、だから、どうだったというのだろう?


何も変わらないだろう。




「つまり、私は…

ジグと、貴方の心の持ち主で、

ジグの恋人の、カトレアさんの、

娘、ということですか?」





あの、能力者を裏切っているジグが。


リオが私を導いてくれた

あの日、出会ったジグが。


私の父親?


しかし、ジグは…

彼は、アジトから、私を追い出そうとした。


私が能力者から敵対視されるよう、

皆の前で発言したのだ。


それに、ジグは本当に裏切り者で、

あの時、アジトを襲わせたのもジグだろう。


私は、あの戦闘でフェイクに救われた。


彼が居なければ、ドレイに殺されていた。



それなのにジグが、父親だ、と?


しかし、私がそれを口にすると、

カトレアは優しい瞳で、

私にこういった。




「それはね、ユア…

あの人なりの、愛なのよ」




「愛…?」