心 ―ハジマリノウタ―




初め、ドレスに身を包んだユアを見て、

自分には関係の無いことだと思った。


関係ないから、

そこまでの関心もない。


顔も声も、個性も、

何も知らなかった。


噂が出回り始めるまでは。


そして、ジグが任務を申し付けるまでは。




『ユアを見張れ』




そう命令された頃、まだ噂は無かった。


私はユアを影で観察したし、

それでも特別な感情は湧かなかった。


噂は戦闘の前後に溢れるように出回り、

知らないのは、

ユアとその近くにいる人間だけだった。




『ユアという新入りは

ドレイ側と繋がっている』




噂は所詮噂。


根拠も確証もない。


相手にしなかった。


けれど、火のないところに煙は立たない。


それも確かだから、

信じるというわけでもなかった。