心 ―ハジマリノウタ―





「何も感じていない瞳が、

自分の主だったモノを見下ろしていた…」




ユアは何も感じない。


主の死でさえも。


リオは、だけど…と首を振った。




「次に目が合った時、彼女がまだ

僕と同じ位の年だって気がついて、

それなのに、何て

綺麗なんだろうって思ったんだ」




それは、わかる気がした。


何にも染まらない、何も知らない瞳が

自分に向けられた時、

自分は何て、色んなものを見て

色んなものに染まってしまったんだろう、

とそう思った。


このアジトは、死と生が共存する。


ドレイとの戦いには、常に危険が伴うからだ。


その分、残酷な場面も、歓喜の場面も、

数え切れないほど見てきた。


それらを何も知らない瞳が、

俺にはとても羨ましくて、眩しく感じた…




「一目惚れって、奴かな。

何も考えずに口から出てたんだ。

共に逃げてくれますかって」




そして、ユアは答えたのだろう。


御心のままに、と。


けれど、俺はそこではなく、

別の言葉が気になった。


…一目惚れ?