心 ―ハジマリノウタ―






「あ、ありがとう、リブ」



「いえ、たいしたことでは。

1日1回変えたほうがいいので、

明日また時間が有るときに」




そう言って頷いた。


俺は、瞬きして、リブに話しかけた。




「リブってすごいんだな!

あんな風に治療できるなんて」




タオルを洗っているリブに、

声をかけると、

肩をビクッとさせて、リブは俺を見上げた。


少し顔が赤いようにも見える。


しかし、それも気のせいのようだ。


リブはすぐに視線を逸らして、呟いた。




「どうして、責めないの?

あの時、ユアの一番側にいて

止める事ができなかった私のことを…」




リブは目を合わせようとはしなかったし、

俺もムリに合わせようとは思わなかった。


けれど、リブはさっきまでのメイのように、

怯えていた。


俺は首を振った。




「責めるわけないだろ?

リブだって、精一杯のことをした。

それくらい皆分かってる。

それに、此処にきてくれただけで、

もう十分心強いし」




な?と俺が言うと、リブは、小さく頷き、

薄っすら涙の浮かぶ瞳が髪の間から見え、

俺はそっとリブの頭をポンポンと撫でた。


その涙を見て、思い出す。


ユアが心を取り戻した時の様子を。


ただ涙を流し、悲しみを受け止めきれず

歌い続けたあの頃のユアを。


ユアは、無事だろうか、

ユアの、心は。


俺は、それが心配で堪らなくなった。