心 ―ハジマリノウタ―




背後で再び扉が開く音が聞こえた。


振り返ると、リブがいた。


リヴィアは冷たい態度のまま、

彼女に尋ねた。




「何の用?

あたしたちは、此処を出て行く。

もう、ジグの犬は要らないんだよ」




リヴィアは辛らつな言葉を投げつけるが、

リブは俯いたまま、

首を振った。


彼女の表情を隠す、茶色の髪が、

さらさら揺れた。


そして、決意したように顔を上げて、

言い切った。




「どうか、私も連れて行ってください」



「…それは、何故?」




リヴィアは値踏みするように、

眉を片方上げると、リブをじっと見つめた。


リブはもう、俯いたりすることも無く、

顔を上げたまま、強い視線で、

リヴィアを見返した。




「私は以前、ユアに仲良くなりたい、

といわれた時、行動で示せといいました。

こんなに無愛想な私を

ユアは、捨て身で助けてくれた…。

だから、私もユアを信じます。

彼女を助けるために、

今度は私が力を尽くす番です!」




そう言ったリブの目には、

涙が在った。


ユアにはやっぱり敵わない。


あの無愛想なリブの心を開かせ、

ジグのみに忠実だった彼女を、

ジグの元から去らせた。


やっぱりユアは、特別なんだ。


俺にとって…

いや、俺たちにとって。