心 ―ハジマリノウタ―




ジグは慣れた動作で

手前の席に座ると、

女性が自分の隣に腰を下ろしたことを

認めてから、口を開いた。




「既に知っているだろうが、

今宵この館へ新たな仲間が加わることとなった。

名は、ユア。

彼女は、能力者のアジトで能力者として

ドレイ退治に身を捧げようとしていた」




能力者。


その言葉に、ファイラがピクリと反応し、

すかさず異議を申し立てる。




「そんな奴、館に置くのは危険だわ!

今すぐ、追い出すべきよ」



「それはできぬ。

彼女は既に、能力を失っている。

そして、フェイクは

その彼女を側に置きたい、と」




当然、私はファイラが

私に異議を申し立てるだろうと分かっていたし、

此処で引き下がるだろうとも思わなかった。


しかし、意外なことに、

ファイラは、悔しそうに唇を噛んだだけで、

黙り込んでしまった。




「しばらくは、命令も出ぬことだろう。

皆ユアに、親しくするように」




ジグの言葉に、

ファイラでさえ、渋々ながら頷いた。


そして、それを確認すると、

ジグは、




「それでは、ユアを歓迎して

祝宴を始めよう」




それを合図に、機械のドレイが

大量の皿を机に運び込んできた。