リオン。
初めて出てきた知っている名前だった。
ローラと呼ばれた黒髪の少女は
その名をとても優しく呼び、
ワーズはその名に、にっこりした。
「そんなのヤダ、ヤダ!」
「それなら、静かに座って待ってなさい」
ローラの言葉に、はあい!とワーズは
椅子を引いて、再び席に着いたようだ。
ローラもそれに続いて椅子に腰を下ろす。
それから、2人の少女は私に
視線を注いだ。
私は何も言わなかったが、
フェイクは安心したのか、
先が思いやられると思ったのか、
ため息をついた。
そして、私に身体を傾けて、
耳元で囁いた。
「この2人には気をつけてくれよ」
意味も意図も理解できなかったが、
私は曖昧に頷いた。
ケルグがぴょんぴょんしながら、
灯りの元へ帰ってきた。
ファイラも姿を現す。
と、その時、ワーズが口を開いた。
「ねーえ、新入りちゃん!
名前なんていうの?
あたしは、ワーズ!」

