クルクルに跳ねた髪が四方八方、
少年がジャンプするたびに揺れる。
その瞳は心底楽しそうに輝いている。
彼は追いかけてくるファイラの
細い手をすんでのところで
ひょいひょいかわし、逃げ続けている。
「ケルグ・ミケルグ!
許さないわよ」
そう叫んだファイラの声と共に、
2人は追いかけっこをしながら
闇に消えた。
それをおなかを抱えながら
笑っているワーズ。
と、その時、再び椅子を引く音が。
現れたのは、ワーズともケルグとも
また違った様子の少女だった。
「ハア、全く…。
2人ともいい加減にしたら?」
2人に呆れながらそう言った彼女は、
紫色のミステリアスな瞳に
ストレートの黒髪を
背中の辺りまで伸ばしている。
そして、何より印象的なのは、
メガネだった。
銀の縁が蝋燭の光を受けて、
キラリと輝きを放つ。
ワーズは活発で、可愛らしい顔立ちだったが、
黒髪の少女は、冷静沈着、
整った顔立ちをしている。
まるで、正反対の2人に共通しているのは、
背丈と歳くらいだろうか。
「ローラ!
だって、面白いんだもん」
「そんなことしていたら、
リオンに嫌われるわよ」

