心 ―ハジマリノウタ―




暗闇に沈む部屋に、

不似合いな軽快で弾むような声が響く。


どうやら、おかしくて堪らないらしい。


絶え間なく響くクスクス笑いに、

ファイラが激怒する。




「嫉妬!嫉妬!!

アハハッ、馬鹿みたーい」




「お黙り、ワーズ!

じゃないと、後悔させるわよ」





その言葉を間に受けたのか、

どうなのか、ワーズと呼ばれた

高い声の笑い声の持ち主が椅子を引いて、

ぴょんと席を立った。


ファイラは私から視線を外し、

暗闇から歩み出てきたワーズを

同じように睨んだ。


ワーズはメイより少しばかり背が高く、

髪と目はショッキングピンクで、

少女の幼さが際立っている。





「おーお、オバサンの嫉妬は醜いねーっと!」




と、今度は別方向から

ファイラを挑発するような言葉が聞こえた。


再び椅子を引く音と共に誰かが姿を現す。


クルクルに跳ねた茶色い髪に、

黄緑の鋭い目を細めながら

高らかに笑い飛ばすと、舌をべェッとだし、

怒り狂ったファイラの手から

ぴょんぴょん跳ねて逃げ出した。