蝋燭の光に照らされる廊下は
仰々しかった。
壁に掛かる蝋燭立てから
絨毯、壁紙まで全てにおいて
金色とエンジ色が使われ、
獅子の姿が象られている。
その廊下を延々と進むと、
一つの扉の前で2人は止まった。
そして、何の迷いも無く、
その仰々しい扉を開けた。
中は暗闇だった。
私はフェイクに手を引かれて、
中へと滑り込む。
まるで、そこは闇しか
存在しない世界のように思えた。
しかし、暫く進むと、
弱い蝋燭の光が再び見えてくる。
そこは、食卓のようだった。
長いテーブルは、白の布に覆われ
均等な間隔で椅子が並べられている。
その上には、金の食器が並び、
椅子や燭台にも金の装飾が施されていた。
椅子は20脚はあったようだが、
そこに座っているのは5人だけのようだ。
座っていることは分かるが、
表情や顔立ちは闇に沈んでいる。
それも仕方の無いことだ。
闇しかない部屋に、数本の蝋燭が灯され、
まるでこの場所だけ
浮き上がっているような状態なのだ。
しかし、その暗闇に
およそ不似合いな軽い声が響いた。
「おーや、フェイ坊は
ようやっと部屋から出てきたのか?
反抗期は終わったのかい、弟よ」

