心 ―ハジマリノウタ―




甘い声の持ち主は、

外で腕組みをして待っていた。


黒くパーマがかった長髪に

青白い肌。


一際目を引くのは、紅い瞳。


顔立ちは、よくフェイクに似ている。


まるで、フェイクが

女の人になったような容貌だった。


その人は、私がフェイクの後に続いて

出て行くと、美しい黒い眉を

ギュッとⅤ字に吊り上げた。




「フェイク、一体その子は何?」




ああ、私はこの視線を知っている。


嫉妬、だ。


彼女の紅い瞳は、嫉妬に燃えていた。


険しい表情の彼女に、

フェイクは無表情に返事をする。





「何だっていいだろ?

ファイラには関係の無いことだ」




ファイラと呼ばれた女の人は、

フェイクの言葉に一瞬顔を歪め、

俯いたかと思うと、

次に顔を上げた時には、

満面の笑みに切り替わっていた。


そして、ぴょんとフェイクの腕に飛びつく。




「そうね、さっさと行きましょ?

あの人がお待ちよ」