心 ―ハジマリノウタ―




誰もが彼の名を呼んだ。


メイも、見えない壁に駆け寄って、

彼に謝り続けた。




「リオぉ!!

ごめんなさい、ごめんなさい…

死なないでよぅ」




彼女が流す涙も、彼を呼ぶ声も、

どれも失ってはいけないものだ。


リヴィアが急所を外して、

リオを撃って、止血する。


ドレイの血は浄化されたが、

出血は激しく、

止血しても見る見る血が広がる。


私は、心を決めた。


もう一度、彼らのために、

私は心を捨てよう。


奴隷に、工場に、戻ろう。


彼らは誰一人欠けてはならない。


だから、私が、姿を消そう。




「ユアちゃん、まだ覚悟はできない?」




フェイクが私を急かす。


口を開こうとしても、

なかなか言葉が出てこなかった。


怖い。


一度手に入れた、大切な人達との別れが。


苦しくて、悲しくて。


それでも涙を見せるわけにはいかない。


早く、早く言わなければ…




「それなら、これで、決められるかな」




フェイクが再び指を鳴らし、

今度は掌に、火の玉の様な光を灯した。


示す先は、リブだった。