心 ―ハジマリノウタ―





「私は、工場で奴隷として育ちました。

工場では、ドレイの

部品の仕分けや運搬、後処理などをしていました。

そして…」



私は口をつぐんだ。


記憶を繋ぐ言葉を捜す。


必要とあらば、

記憶の全てを話すつもりでいた。


が、さっきの隻眼の女の人の声が、

冷たく響いた。



「それで、あんたは何者なわけ?」




何者?


私の答えは一つしか思い浮かばない。


奴隷。


そう。私は奴隷でしかない。


私は答えた。




「私は、奴隷です」




「あたしが聞きたいのは

奴隷だとか、何をしてたとか

そういうことじゃない。

あたし達の敵なのか。

一体あんたは誰なのか」




奴隷として生まれて、

奴隷として生きてきた。


だが、望まれている答えはこれではないらしい。


女の人の、イライラした声が

それを物語っている。


私は、私の中で、

あてはまる言葉を探した。