心 ―ハジマリノウタ―



嫉妬の視線。


メイの居場所は、リオだけだった。


それなのに、私が来たことで、

それを失くしたと感じていたのだ。


誤解だ。


そんなつもりはない。


そう言ったところで、

彼女はきっと帰ってこない。


それなら、どうすれば…




「メイ…。

私は、無神経だったかもしれません。

でも、今は大切な人を思う気持ちも、

守りたいという思いも、

失いたくない、という思いも、

少しずつ理解してきているつもりです。

だから、分かります。

リオは、メイのことを大切に思っています。

今までも、そしてこれからも。

だからこそ、こんな風に

ボロボロになっても

アナタを助けに来たのでしょう」




届いてほしい。


けれど、分からない。


伝える手段が、言葉しかないから。


言葉は、あまりにも不安定だから。


メイは、首を振って、

叫んだ。




「煩いよぉ!!

だって、アンタが来たからでしょぉ?

リオが振り向いてさえくれなくなって…

どうしたら良かったのぉ??

全部ぜんぶ、

アンタのせいなんだからぁっ…!!」




メイは顔を上げて、

フェイクの腕をとった。


しっかりと、力強く。


そして、その紅い瞳を見つめた。




「でも、フェイクは違うもんっ!

フェイクは私だけを見てくれる…

だから、私は此処にいるんだもん」