心 ―ハジマリノウタ―





「行こう」




リヴィアがそう言った。


私は頷いて、リヴィアと同じように

ゆっくりと開くドアを見つめた。


私たちは、エレベーターの外へと、

最上階へと

足を踏み入れた。


最上階はガラスで、

まるでドームの様に天井は弧を描いていた。


薄汚れたガラスは灰色に染まり、

光は微かにしか入ってこない。


此処へ入る前の、偽物の空でさえ懐かしい。


垂れ下がったシャンデリアの

蝋燭の柔らかい炎が辺りを照らす、

唯一の光。


エレベーターから一本の道のように

真っ直ぐ部屋の奥へ続く

花壇の列。


紅い絨毯の両サイドに

まるで最上階を彩るように

色取り取りの花々が植えられている。


美しいはずなのに。


その色彩は本物のはずなのに、

どこかくすんで見えるのは、

工場の不穏な空気のせいか、

それとも、戦闘の雰囲気のせいか。


そして、その花壇の道の奥には、

金の玉座があった。


そこに座っていたのは、




「いらっしゃい、お姫様…」