心 ―ハジマリノウタ―




扉を開けて、外を伺う。


シンとした廊下は、

物音一つしない。


私たちは扉から

そっと廊下へと出た。


1階や5階までのフロアとは

全く違う様子に3人とも驚いているようだ。


それも仕方が無いだろう。


1階のエントランスは、

暗い色の大理石で全てを固めてあり、

暗く冷たく感じさせる。


他の5階までのフロアは、

灰色のコンクリートでできているから、

無機質な風なのだ。


それに比べ、10階。


白く、染み一つない壁が続き、

廊下は、磨き上げられたように艶やか。


厳しく不穏な外見の工場からは

想像もできないくらいの

美しいといえば美しく、

落ち着かない廊下が続く。




「エレベーターはあっちです。

着いて来て下さい」




この廊下の奥にエレベーターがある。


中央階段とは反対方向だった。


此処がエレベーターと

中央階段の間くらいの位置だったが、

戦闘の音は聞こえない。


まだ下のフロアにいるようだった。


歩き出そうとした私をリヴィアが

腕を引いてとめた。




「ちょっと待ちな。

おかしいね、何もいないなんて。

何かの罠かもしれない。

こっちにとっては好都合だけど、

何かにおう。

あたしが先に行くよ」




私たちは頷き合うと、

リヴィアが銃を構えて

先頭を行き、歩き始めた。