「何でもありません。
少し考え事をしていただけです」
私が頭を横に振ると、
レイはそう?と首を傾げて言った。
「ならいいけど!
何か気になることがあったら
言ってくれよな」
レイは微笑むと、
私が頷くのを見届けて、
目を瞑った。
私は、視線を落として、
手元にあるスピーカーに
視線を移した。
マイクは最小限に軽量化してあり、
常に耳に付けるように、
とダイガにも言われていた。
戦闘用のスピーカーもベルトで
腰に装備してあり、
唯一治療用のスピーカーのみ
装備することができず、
膝の上に乗せていた。
滑らかな外側が、一部窪み、
そこにランプがついている。
そのすぐ側に小さなスイッチがあり、
それを押すと、ランプは黄緑に光るらしい。
すると、マイクの電波を
スピーカーが察知して音を拡大する。
機械のことは、
私はあまり詳しくは無いのだが、
スピーカーとマイクのことは、
詳しく教えてもらったのだ。
仕組みは分からないが
操作は覚えた。
これで、私はこの手で皆を、
大切な人を守ることができる。
しかし、そんな実感など、
少しも湧かないのも事実だった…。

