心 ―ハジマリノウタ―





「いいや、ダメだ。

リオは今危険に晒されている。

一刻も早く行かなきゃ危ない。

それに…」




リヴィアは言葉を濁して、

先を言うのを渋った。


しかし、怪訝そうな顔のリブは

それを許さなかった。




「それに、何ですか」



「…この戦闘は、

勝算が低すぎるんだよ」




リヴィアが唇を噛んで

搾り出すように言った。


勝算が低い。


確かに、私たち奴隷が造っていたモノが

ドレイなのだとすれば、

夥しい数のドレイが

工場には存在することになる。


いわばドレイの軍隊、

と言ったところであろうか?


だから、あの建物は

あんなにも高く聳え立ち、

不穏な空気に包まれているのだ。


ドレイの軍隊を

隠し持っていたのだから。




「あたしたちだけの方が、

動きやすい。

それにユアもいる。

リブ、これは任務の一貫だよ。

分かるだろ、

リオの救出が任務なんだから」



リブは渋々、と言ったように頷き、

リヴィアはそれを複雑な表情で見守った。


それから、仕方ないというように

再び口を開いた。




「それから…リブ。

この事は絶対ジグに黙っていてほしい」