心 ―ハジマリノウタ―




「そうだね。

あたしもそれが知りたい」




声のした方を向くと、

開けっ放しのドアの外に沢山の人が立っていた。


その先頭に立っている

美しい女の人が話したようだ。


その人は胸の前で腕を組み、

深緑の左目で私をじっと睨んでいる。


右目には、まるで彼女の美貌に

罅を入れているかのような

黒い眼帯をしている。




「それは皆同じだ。

さあ、説明してもらおうか。

リオ、この娘は何だ?」




その言葉は先程と同じように、

私に向けられた言葉ではない。


老人が言葉を発すると、

各々の席についた人々の視線が主に集まった。


先程まで飛び交っていた囁きが静まり、

沈黙が主の言葉を待つ。