心 ―ハジマリノウタ―



ふとレイを見ると、

彼はなんだか落ち着きが無い。


視線が忙しなく動いていて、

その視線の先を辿ると、

大男と言えるほどの男の人が立っていた。


彼は私たちに気が付いてはいないようだ。




「レイ、どうかしましたか?」




私がそう尋ねると、

レイはもう一度彼を見やってから、




「あ、あのな、あそこに立ってる人、

俺の師匠なんだ」



「レイは、会いたくないのですか?」




そう思うほどに、顔が強張っている。


リヴィアといい、レイといい、

師匠は怖い存在なのだろうか?


すると、レイはぶんぶん首を振って

否定した。


リブがチラリとこちらをみた。




「いや、そういうワケじゃないんだ。

でも、最近会ってなくて、

気まずくてさ」




何故師弟同士違うアジトにいるのだろう?


私もリヴィアと離れるのだろうか?


それは、嫌だった。




「ねぇ任務中にいちゃつかないでくれる?

気が散るわ。

私、さっさと帰りたいんだけど」




リブのきつい言葉が飛んだ。


レイが肩をすくめると、

リブは鼻を鳴らして周りに視線を戻した。