心 ―ハジマリノウタ―





「あら、もういっちゃうの?

残念だわ~」




そう寂しそうな表情をした束の間、

お別れのハグ!と言って

再びリヴィアを抱きしめた。


しかし、その瞬間、

一際声を低くして囁いた。




「リヴィア、気をつけたほうがいい。

そろそろ動くかもしれない」




人格が変わったように、

ネヴァは真剣な表情を見せる。


隣にいた私には聞こえたが、

レイやリブには聞こえていないだろう。


リヴィアはただ無言で頷いた。




「なら、いい。

それじゃあ、ユア!

また今度ゆっくり話しましょうねん。

レイもリブも、師匠によろしく~」




そういうと後ろ手を振って

ゆらゆら歩いていってしまった。


私が呆然としていると、

リヴィアが説明してくれた。




「あの人はね、お酒が大好きなんだ。

朝っぱらから飲んで、いつも酒臭い。

でも、相当強くて酔ったのを見た人はいない。

いつもあんな調子だけど演技で、

あれ本当の師匠なんだ」




フラフラしているネヴァを見つめると、

リヴィアは首を振って、

レイとリブに言った。




「うちの師匠が申し訳ないね。

行こうか」