心 ―ハジマリノウタ―



敬語など意識して使っていたのではなかった。


工場に居た頃は、

受け答えさえ、

させてもらえないことが多かったから。


答えは全て、

御心のままに。


だから、話すのにも躊躇する。


しかし、アジトにきてからは、

話しかけてくれる。


話を聴いてもらえる。


それだけで、私は良いのだ。




「敬語を聞くのは嫌ですか…?」



「いや、そう言うわけじゃないよ。

ただ仲良くないみたいじゃん?

他人行儀っていうかさ」




私は此処に来て変わったのだ。


心が帰ってきて、

人のために行動することの意味を学んだ。


もっと変わりたい、そう思う。


だから…




「うん、分かった。

…で、合ってますか?」




私の答えに、レイとリヴィアは嬉しそうに笑った。


それじゃあ次は…とレイが考える。


そして、何かを思いついたように

手を打った。




「あ、そうだ!

レイさんっていうのもやめよう。

もうレイって呼んでよ、ユア!」



「レイ…?」



「それでよし!

リヴィアもリブもいいだろ?」