心 ―ハジマリノウタ―




移動はジグにも言われたとおり

汽車だった。


止まっている車両に乗り込んだ私たちは

個室に落ち着いた。


しかし、個室には、沈黙が漂っていた。




「ユア、初任務だな!

黒いコートも

髪と合っててかっこいいじゃん。

結ってもらったんだな!

似合うよ」




レイが場の雰囲気を変えようとしながら、

前の席に座る私に声をかけた。


私はレイの意図を察して

頷いた。




「はい、リヴィアさんが

結んでくれました。

レイさんも、戦闘服だと

雰囲気が違って格好良いですね」




レイは会話を続けようとしたが、

顔を背けて黙ってしまった。


心なしか、耳が紅く見える。


上ってきた朝陽のせいだろうか。


しばらく顔を伏せていたが、

いきなり顔を上げたレイは言った。




「俺さ、前から思ってたんだけど、

敬語、やめない?

俺たち、そんなに歳も違わないし、

俺なんて、リヴィアにも使ってないんだぜ?」