その人影は、レイの物ではなかった。
レイは細身ではあるが、
こんなに華奢ではない。
では、一体誰が…?
「リブ?
こんな時間にどうしたんだい?」
私が認識するより早く、
リヴィアが呼びかけた。
小さな蝋燭の光のに照らし出されたのは、
何時かレイが説明してくれた
少女だった。
蝋燭の光を受ける
片耳だけの紅いピアス。
ウェーブがかった肩くらいの茶髪が
サラリと揺れた。
「ごめん!
気付いたら寝てたー!!」
リブが答えるより先に、
再びドアが開き、
今度こそレイが入ってきた。
しかし、リブの姿に気がついて、
きょとんとした顔をした。
「って、あれ?
リブ、どうしたの?」
「ったく、今それを
あたしが尋ねてたところだったんだけどねぇ…。
まぁいい、それで、リブ。
アンタはどうして此処に?」