心 ―ハジマリノウタ―





「ああ、分かってるよ。

あたしはね、もう随分前から

ジグを疑ってた。

ジグを気付かれないように

観察していたけど、

アイツは証拠を残すようなヘマはしなかった。

証拠も無いのに

誰かを惑わすのは嫌だったから、

誰にも言わなかった」




まぁロックにはバレたけどね、

と悲しげに笑って、

リヴィアは話を続けた。




「あの戦闘の日、

結界が張られていないのを知っているのは、

ジグとロックだけだ。

でも、ロックよりの結界者は負傷中で

別のアジトへ行っていた。

それを知っていて、

尚且つあの日、結界者に任務につかせた。

それができるのは、ジグしか居ない」




確かに…。


ジグは議会による収集で会議に出たはずだ。


それならば、あの日

撤退を命じることも分かっていた。


任務なら、長引いてしまう

ということがあってもおかしくはないが、

結界者が少ない今、任務に出すというのは

明らかに不自然だ。


まるで、あの日に

戦闘が起きると

分かっていたかのように…。