心 ―ハジマリノウタ―




私が外へ出た途端、

リビングが騒がしくなった。


皆、私を疑っているのだ。


老人と同じように。


それは当たり前の反応なのかもしれない。


いきなりドレイ工場からやって来て、

すばらしい能力を得て、

皆を救った。


辻褄が合いすぎる

といわれたら、何もいえない。


ロックは消えた。


リヴィアも致命傷を負い、

リオもメイも今は姿を消している。


私の周りの人間が皆、

苦しんでいる。


他人から見れば、私が苦しめているように見えるのだろうか。


私が敵に見えるのかもしれない。


スパイのように、

情報を敵に流している、と。


真実を確かめようともしない人々に

私はどうやっても理解してもらう手段が

見つからないような気がした。




「ユア、アンタに話がある。

部屋に行くよ」




無表情のまま、

リヴィアが言った。


恐ろしいと思った。


あの、新種のドレイに襲われた能力者を目の前にした時よりも、

ずっと、怖い。


リヴィアが、

私を疑っているかもしれない。


そのことが、震えるほど怖い。