心 ―ハジマリノウタ―




私の話を聴き終わると、

老人は疲れたようにソファに腰を下ろした。


狼狽しきっているような表情の

ジグは深く息を吐き出した。




「ハートを持つ者が、尋ねてきた、と。

そして、リオが危険だと言う」




唸りながら、考え込んだジグの視線が

私を何度も捉える。


居心地の悪いその視線は、

戸惑いだろうか。


否、

疑い、だ。


新種のドレイに襲われた能力者たちも言っていた。


私の存在は辻褄があいすぎているのだ、と。


それは恐らく、

私がドレイ工場にいたことにも

関係しているのだろう。




「ユア、お前に任務を授けよう」




静かに老人が告げた。


その瞳にはもう何も映っていなかった。


先ほどの疑いも、

狼狽も、

闘志も。


ただ灰色の薄い瞳は私を見据え、

そう命じた。




「お前は確か、

南西のアジトに行きたいのであったな?

許可しよう。

私から、ダイガに頼んでおく」