心 ―ハジマリノウタ―





私が足を踏み入れると、

老人はドアを閉め、

主に手でついてくるように示した。


扉の前で立ったままでいると、主が私に囁いた。




「ついてきて下さい。

これから色々なことを聞かれると思います。

だけど、真実だけを話して。

いいですね?」




命令だ。


工場を出たところで、

私の立場が変わるわけではない。


私は奴隷であり、

死に至るその時まで

奴隷として生きるのだから。


私は頷き、主の後へと続いた。


向かった部屋は、

玄関から左の

ダイニング兼リビングらしい部屋だった。


建物の外見から、こんなに広い空間があるとは思えない。


それくらい広い部屋が広がっていた。